春の薪作り

冬の間に伐採された丸太の
玉切り
薪割り


奥が、Chainsaw にて玉切りした丸太

玉切り
薪ストーブの炉の大きさに収まる長さに
チェーンソーで、丸太を切断

薪割り
薪割り手斧(AXE)にて、
約5cm角、10cm角 の2種類に割る

この薪の山の量で
玉切り 約1時間
薪割り 約2時間
の作業

この冬の実績から
この薪の山の量で、
約1ヶ月分。
 12月から2月の寒い時期に、夕方から早朝まで毎日焚いて。
 使用STOVEは、Huntingdon 40 暖房能力 9.0kW(最大 11kW)



薪作り作業としては、
まだ、梅が咲いている肌寒い季節なので、薪作りの時期としては最適。
身体も温まります。


この後、梅雨の時期から夏場に向けて、雨ざらし & 天日干し乾燥
 木材の自然乾燥は、春から夏場にかけて進む  

針葉樹であれば、ひと夏の乾燥期間で、含水率15~20% に乾燥する。
この短い乾燥期間も、針葉樹を薪として使用するメリット!

※) 雨ざらしは次の効果がある。
   ・薪に入り込んだ虫の駆除
   ・薪の細胞組織内の水分を取り出す、呼び水。
   (木場の水に水没させた木材も、その効果を狙ったもの)

針葉樹でも大丈夫

薪ストーブに針葉樹は燃やせないと思っている人がいますが
それは間違いです

どんな樹木でも
乾燥させてあれば
ススはほとんど出ず
薪として使用できます



一般的に密度の高い広葉樹は火持ちがよく
暖める力が高いのが特徴です

一方
針葉樹は広葉樹に比べ密度が低いため
薪割りがしやすく運搬も楽
着火性が高いので焚き付け用にも向いています

針葉樹と広葉樹を混ぜて使用したり
用途に合わせて使い分けるといいでしょう

理想的な水分含有率は20%以下


切られてすぐの生木は、その50%が水分です
その木を薪として燃やすには
20%以下まで乾燥させることが大切になります

十分に乾燥していない薪では
ストーブの性能を十分に引き出せません

暖まりにくいうえに

燃やすと
クレオソートやススが多く発生し
煙突内に付着


煙突掃除をこまめにしなければ煙突火災の原因にもなりかねません

薪は割られることにより
空気に触れる表面積が大きくなるので
より早く乾燥させることができます

割った薪は風通しが良く雨のあたらない屋根の下で
乾燥させる

太さや樹種にもよりますが、冬に切って2年間乾燥させた薪が理想の薪といえます。


引用先

薪ストーブメーカーにかかわらず針葉樹は使えます

現在日本で販売されている薪ストーブは
大抵どのメーカーでも
針葉樹を使うことができます



「●●のメーカーのストーブだから針葉樹が焚ける、焚けない」
ということは、基本的にはありません

焚き方に問題があることがほとんど


高温になってしまう場合
それは薪の量と供給する空気が多すぎるといった
焚き方に問題があることがほとんどです

  • 焚付け時以外に細い薪を大量に入れない
  • 空気の供給量を必要以上に多くしない
  • 不適切な箇所(灰受け扉、ダンパーなど)をあけたまま長時間燃焼しない

引用先

私の場合も、始めは

実際に松を焚いてみてわかったのですが
確かにストーブが早く高温になります
火付きが良いんですね

それで空気量をしぼってしまうと
今度は正面扉のガラスがすぐ黒くなります
煙が多く出るからです(薪の不完全燃焼、クレオソートが大量に発生)

ただ、大量に投入しなければ
高温になりすぎて困るという状態にはなりません

要は焚き方で解決できる問題ですね


針葉樹の燃焼特性を解りやすく説明すると
・針葉樹は密度が広葉樹に比べ、小さい

つまり、広葉樹に比べ、中がスカスカ状態。


焚火の時に、火付けに新聞紙を使いますが
同じ一枚の新聞紙でも
軽く丸めると(針葉樹状態)、早く良く燃えます
ギューと丸めると(広葉樹状態)、ゆっくり燃えます

針葉樹は、早く燃える代わりに、多くの空気も必要とします。

針葉樹を薪ストーブで焚く時は、空気をあまり絞らずに燃やすことが重要です。
良い状態で燃やす、煙を出さずに燃やす、ために。

針葉樹を焚いている時に、煙が多く出たら、空気を沢山いれましょう。
それでも、煙が多くでる場合は、焚く薪の量が多過ぎ、です。

乾燥が悪い薪の使用は、論外です。


針葉樹の薪についてのよくある誤解

針葉樹の薪を焚くと
温度が高くなりすぎてストーブを傷めないか?
タールが多くて煙突が詰まるのでは?

という話をよく聞きますが
それは針葉樹の薪が悪いのでなく
扱い方が間違っていることによる誤解です

樹種が問題なのではなく
乾いているかどうかがカギ

発熱量や火持ちなど特性はあれど
薪に樹種は関係ありません


大切なのは
しっかり乾燥しているかどうか

何ヶ月も置いたから大丈夫、というのではなく
きちんと雨を防いで風通しの良い場所で乾燥させさせましょう

針葉樹でも
薪として全く問題なく使うことができます

薪の乾燥

樹種に合った乾燥期間を設ける必要があります。

針葉樹なら3ヶ月から半年
広葉樹は1年以上が望ましいでしょう

但し、乾燥の環境で大きく左右される、ことに注意!

乾燥が十分でないと

  • 火がつきにくい
  • 温度が上がりにくく、暖かくならない
  • 水分を含んだススが煙導内に付着し、煙突を詰まらせる原因となる
  • 煙が大量に発生し、臭いの原因となる

などの不具合が起こり
いかに性能の良い薪ストーブも本領を発揮しない

判断するもっともシンプルな方法は
薪を割ってみて、その断面が湿っていないかどうかを手で触ってみることです

しっとりとして水気を感じるようなら
まだ乾燥が不十分と言えるでしょう

乾燥具合は表面をみただけではわかりません
内部までしっかりと乾燥していることが大切です

私のお勧め方法は

薪と薪とを叩いて
「ゴンゴン、コンコン」は、まだ乾燥不足
「カーン、カーン」は、充分に乾燥した音

になります。

乾燥月数と合わせて
叩いた音で判断してます


薪の種類と薪に適した木

薪にはナラ、クヌギなどの広葉樹が適している、と言われることが多いのですが、

実は薪に樹種は関係ありません

マツ、杉、ヒノキなど針葉樹はヤニが多い、
火力が上がりすぎる

などと言われることがありますが、
これは誤解です。

針葉樹ももちろん、薪として使用できます。

十分に乾燥していれば
どんな樹種でも

十分に薪として使うことができます

逆にどんな樹種でも
乾燥が足りず薪の内部に水分が残った状態のまま焚くと、
十分な熱量が得られないだけでなく、

煙突内にべっとりとしたクレオソートがこびりつき、
煙導内に火がつく煙導火災を引き起こす原因となります。

スギ、カラマツ、アカマツなどの針葉樹でも、
しっかりと乾燥させていれば
問題なく薪として利用できます。

信州大学との共同研究の結果、
煙突が詰まりやすい
ストーブを傷める
という事実もないことがわかりました。

針葉樹は一般的に乾きが早いので、
乾燥期間が短くて済むというメリットがあるので、
春に薪作りをし、
その冬に焚くということが可能です。

信州大学農学部が調査したところによると、
ナラなどの広葉樹と比べて、
カラマツやアカマツの針葉樹は
乾燥が非常に早いことがわかりました。


5月末に薪を作って乾燥させた場合、
針葉樹は約2か月で薪として使用可能な含水率20%以下まで乾燥しましたが、
ナラは乾燥がゆっくりでさらなる乾燥期間が必要
という結果が得られました。


日本の森林の約50%は針葉樹で、
このうち多くを占める人工林は
間伐を必要としていますが、
実際は進んでいません。


こうした現状を打開すべく、
針葉樹の間伐材を薪として利用することで
森林の整備を進めようという取り組みも行われています。

価格も比較的安価ですが、
火持ちの面では広葉樹に劣ります。

これは、

木の密度(単位体積あたりの重量:g/㎤)
に関係があり

針葉樹は広葉樹に比べると
密度の小さいものが多いためです。

入手しやすい針葉樹を密度で見てみましょう。

カラマツ、アカマツは
針葉樹の中では密度は0.50 g/㎤前後です。


スギ、ヒノキはさらに軽く、
0.40 g/㎤前後。

スギ、ヒノキに比べると
密度の高いカラマツ・アカマツは
火持ちの良い薪です。

一方で火がつきやすいという性質を持つので、
焚き始めは針葉樹を、
落ち着いてきたら広葉樹を使うなど、
数種類の樹種を使い分けるのもおすすめです。



広葉樹の薪

広葉樹の薪はなんといっても火持ちの良さが特徴です。

クヌギやカシは密度が0.80 g/㎤前後と非常に高く、
最高級の薪とされています。

手に入りやすいナラやサクラも0.65 g/㎤前後で、
十分な火持ちが期待できます。

しかしその分乾きにくいので、
十分な乾燥期間が必要です。
燃やした後の灰も多く残る。

火がつきにくいので、
焚き付けとして使用する場合は細かく割ること。
太薪を投入する時も
十分に火力が上がってからにしましょう。

価格は針葉樹と比べると高めです。

引用先


私の場合
地産地消を CONCEPT としているので
ほとんど針葉樹で焚いています

近隣の森林組合から譲って頂いている、間伐材の唐松を使用

ほぼ、針葉樹で焚いたシーズン後の、煙突内の様子

薪 うんちく。その2

薪 の成分

揮発成分・固定炭素 割合
可燃ガス・炭素・灰 割合

中外炉工業(株) 笹内 謙一 氏 提供

可燃ガス・固定炭素 の
重量割合 および 熱量割合

中外炉工業(株) 笹内 謙一 氏 提供

石油系燃料 と 木材燃料 の燃料特性

芝浦工業大学 提供

燃焼過程における ガス成分

中外炉工業(株) 笹内 謙一 氏 提供

木質燃料 と 石油系燃料 の燃料特性

日本木質ペレット協会

薪 うんちく。その1

含水率

含水率・水分 とは?

木材の水分(wb)と単位発熱量

針葉樹の生木の含水率(wb)

日本 : 約50 ~ 60%
EU   : 約40%

重量は
日本 : 約133kg/m3
EU   : 約156kg/m3

従って
針葉樹の生木の密度は、EUの方が日本に比べて密

丸太の天然乾燥
 乾燥日数と含水率(db)との関係

(国研) 森林総合研究所 久保山 裕史 氏 提供

乾燥日数は、11月をゼロとする

11月から翌2月(乾燥日数 120日)の冬の4ヶ月は、含水率は増加
その後
3月から8月(乾燥日数 300日)の春から夏場の6ヶ月で、含水率は減少し平衡に

空っ風の吹く、筑波市での同様の試験でも、同じ傾向

日本の平均平衡含水率は 約15%

冬場の11月~2月は、含水率が上昇
春の3月から夏場にかけて、含水率が減少

木材の自然乾燥は、春から夏場にかけて進む!



木材の平衡含水率

気候値から推定した木材の平衡含水率と、実測含水率との間には、
年平均で見た時には、有意な差は無い

季節から見た 木材の平衡含水率



参考資料
わが国における木材の平衡含水率に関する研究(森林総合研究所)



参考リンク

林野庁 「木質バイオマスエネルギー」

日本木質バイオマスエネルギー協会

日本木質ペレット協会

森林総合研究所